Diary

おくたま日記

2019年07月14日

庭付きの家で暮らす者の宿命、それは草刈り

ひとくちに奥多摩といっても、住宅事情は地域によって異なる。住宅が密集する地域もあれば(もちろん都心の密集度合いを想像してはいけないが)、お隣まで何マイル?ってところもある。

だが、ほとんどの奥多摩の家に共通しているのは庭があることだ。

都会で暮らす人たちにとって、庭付きの一戸建てというのはもしかしたら憧れの存在かもしれない。もちろん庭のある家で暮らすことには喜びを感じるし、実際にメリットの方が多い。

しかしながら、庭があれば良いことづくめなのかと言えばそうでもない。庭には手入れが必要で、適切に管理していないと大変な事になる。そして、庭の手入れはまあまあ骨が折れる。

今回は、そんな我が家の庭のお手入れについて語らせていただきたい。

夏が近づくと庭の雑草がやばい

暑い季節が近づいてくると、生き物たちは俄然元気になってくる。それは庭の草木も然りだ。木々が芽吹くとか、蕾がほころぶとか、そんなほっこりした言葉を吐けるのは一瞬だ。すぐにそれどころではなくなる。

つる植物は一晩でかなり伸びる。なお冬場はここに一本の草も生えていない

我が家の正面と脇には猫の額ほどの庭がある。脇の庭から家の裏手にかけては数本の庭木が植えられていて、その足元にはすぐに雑草がはびこる。玄関から石垣を下ると駐車場があるが、コンクリート舗装されているものの土が溜まっており、そこも植物が育つには十分な環境だ。

これらすべての場所に、初夏には一斉に雑草が生え始める。庭木もじゃんじゃん伸びて生い茂る。我が家は日当たりが非常に良いので、油断しているとあっという間にジャングルみたいになってしまう。

伸び放題の雑草には虫が湧く。湧くというか、雑草まみれの環境が虫たちの楽園なのだ。きちんと草刈りをしていないと蚊とかムカデとか、他にも色々いっぱい出てくることになる。

今年は長い梅雨が明けるのを待たずして、玄関前の通り道が徐々に狭まってきている。このままだと家に入れなくなってしまうのも時間の問題だ。

我が家を侵食していく草木たち

我が家の庭全般にはびこっているのが笹だ。笹は地中で横に大きく広がっているらしく、庭全体や敷地の周りにじゃんじゃん生えてくる。刈り取るにしても固いので、道具がないとまったく作業できない。根がどこまでも繋がっているので引っ張っても抜けないし、見えている部分を切っても地下茎から次々に生えてくる。伸びるのもとても早い!

前庭はもはや笹の国。増えてしまうとかなりやっかいな植物だ

家の横に生えている庭木もスゴイ勢いで伸びる。切っても切っても新芽が伸び、すぐに一階の屋根の高さを越えてしまう。やがて軒天上に突き刺さり、隙間にグイグイ入り込んでいく。放っておいたら家が飲み込まれて壊れると思う。家の裏手の木も、昨年散々枝を落としてやったのに一年経ったらすっかり元通りになってしまった。凄い生命力だと感心するばかりだ。

更に成長の早いのが、ヤブガラシというつる植物だ。春夏に庭木という庭木に絡みついてぐんぐん伸びていく。あんまり伸びすぎると生い茂った葉で日光が遮られ、絡みついている木が枯れてしまうとか。調べてみると、この植物も笹と同じように横方向へ広がる地下茎を持っていて、地上部分を切り取ってもまたどこかから生えてくるらしい。

 

絡みついたヤブガラシをズルズル引っ張って取り除くのは耳かきに似た快感

その他、名前も分からないが色々な草が生えてきて、みるみる地表を覆っていく。1メートルをゆうに超える成長を見せる草もあり、なんかもう、ちょっと怖い。

キレイな花を咲かせる草も

そんな雑草のなかには、キレイな花を咲かせるものもいる。タチアオイもその一つだ。タチアオイは、梅雨頃に2メートルくらいに伸びて朝顔に似た大きな花を咲かせる。もともと薬用や観賞用に栽培されているものらしい。

たくさんの蕾が時間差で開いていくのでけっこう長く楽しめる

種や苗も売られている植物だが、そこかしこに毎年じゃんじゃん生えてくる。本当は雑草ではないのかもしれないが、勝手に生えてくるので我が家では雑草カテゴリに入れている。といっても花はすごくキレイなので、花が終わるまでは切らずに放っておくことにしている。

他にも毎年何種類かの花が咲き、我が家に勝手に彩を加えてくれる。とってもありがたいことだと思う。

草刈りに必要な道具

それではここで、草刈りに使用する道具たちを紹介しよう。

短い柄の先端に三日月状の刃がついた道具。慣れないと何も切れないが、しばらく使っていると片手でもスパスパ切れるようになる。草を根元から刈り取るのに向く。

分厚く重い刃で叩き切るための道具。ちょっとした枝打ちから薪割まで幅広く使う。鉈を使いこなす人はカッコイイなと思う。鉈の使い方が分かってくると、もうとっくにおじさんの僕でも、少し大人になったような気になる。

大工道具の代表的存在だが枝打ちにも必須だ。剪定バサミや鉈で切れない太さの枝を落とすのに使用する。枝打ちの場合は大工道具の鋸と違い、刃と柄の部分に角度が付いているものがよい。まっすぐ引いても切る方向に力が入りやすい。

刈り込みハサミ

両手で扱うでっかいハサミ。植木の形を整えるような剪定に用いるが、草刈りにも大活躍する。地面に沿ってジャキジャキ切りまくる。草に対して刃を前後に滑らせる必要があるのでけっこうコツがいる道具だ。

他にも色々な道具があるが、いずれも田舎暮らしの必需品だ。奥多摩で暮らすためには持っていた方がいいだろう。といっても大抵のものは近所の人に頼めばいくらでも使っていいよと貸してくれるので、すぐに揃える必要はない。

ともかく、庭が荒れ始めるとこれらの道具を駆使して雑草を刈らねばならないのが、庭を持つ者の宿命なのだ。庭が欲しい人からしたら「そのくらいなんだ!」と思うかもしれないが、ひっきりなしに草刈りをしなければならないという事実にはうんざりする。

夏の手入れをサボると大変なことになる

移住して初めの頃の春夏は頻繁に草を刈った。庭木の手入れも積極的に行い、いつでもきれいな状態を心掛けていたものだ。移住前も休みのたびに奥多摩に通い庭掃除をしていた。

しかしどうだろう。刈ってもむしっても、雑草は後から後から生えてくる。今日草刈りをしても、明日にはまた生えているのだ。なんか馬鹿らしくないか?

そんなことで、移住3年目くらいからは秋が来て草の勢いが衰えてから初めて草刈りをするようになった。その方がずっと合理的だろう。だって一度きりで済むのだから。

 

もはや分け入ることも躊躇われる

そんなことをうそぶいて、いざ秋が来るとどうなるか。庭の草木は圧倒的に生い茂り、もはや人の手に負える限度を超えているではないか!

僕はすっかりやる気をなくし、草をあまり刈らなくなった。せいぜい通り道だけをチョンチョンチョンと切っておく程度だ。なので今年の庭はかなりやばい。ヤブガラシは網戸に張り付き、笹は大人の背丈を越えた。絶望だ、もはや人類に打つ手はない……!

そんなわけで今年の夏は、イチゴ狩りとかブドウ狩りみたいに雑草狩りを始めようと思います。60分2000円です。カップルは10%割引サービスあり。奥多摩で一夏の思い出を作っちゃお!

Writer

この記事を書いた人

スー

2015年、なんとな~く奥多摩に移住。現在、妻の営む整体サロンの片隅で、電動バイクレンタルショップをこっそり営業中。少年ジャンプと科捜研の女がイキガイのシガナイ中年。

Recommend

おすすめの記事

Keyword

キーワードで記事を探す