ムカデ退治の最善策はこれ？奥多摩で5回の夏を過ごした僕の結論とは

虫の話ばっかりでごめんね

みなさんこんちには。

前回の記事で頼もしき同居人たる益虫たちを紹介したばかりで大変に恐縮なのだが、今回もまた虫の話をしようと思う。

今回のテーマは「ムカデの屠り方」。

奥多摩に移住して5回目の夏を迎えている今、この経験をもとに、明日から皆さんにも使える最新のムカデの屠り方をご紹介しよう。

安心したまえ。もう、ムカデに怯えなくてもよい。

僕がムカデを屠る理由

これから話すのはムカデを屠る方法だ。「屠る」なんて言葉を使ってぼかしているけれど、平たく言えば殺すということ。生き物の命を奪うのだから、そこには理由が必要だ。

ムカデは肉食で、小型の虫などを捕食する。その中には衛生害虫も含まれているから、考えようによってはムカデは益虫であるとも言える。なのでムカデを見ても殺さないという人もいるかも知れない。

だけれど、改めてはっきり言っておくけど、僕はムカデを殺す。理由はふたつだ。

1. 危ない

言うまでもなくムカデは危険生物だ。ムカデは毒を持っていて、獲物を捕獲する際に顎で咬みついて毒を注入する。

人間が即死するほどの毒性はないが、激しい痛みと腫れが起こる。過去に咬まれたことのある人が再び咬まれるとアナフィラキシーショックが起きる可能性もあり、死亡例もある。しかも攻撃性も高く、接触した途端にソッコーで咬んできたりするから手に負えない。

そんな奴がいつの間にか家に入り込み、いきなり天井から降ってきたり、置いてあった上着の中に入り込んでいたりするのだ。危ない事この上ない。

2. スゴイ増える

ちょっと調べてみたら、ムカデの産卵期は5月～6月。一年に数回、50個ほどの卵を産むらしい。一匹のメスを見逃すと、50匹に増え、半分がメスとしても25匹。次の産卵でそれぞれ50匹産めば1250匹になる。

成虫になるのに3年かかるらしいから、6年あれば成虫のムカデが1250匹になる。それだけの大家族を養えるほどの餌はないと思うけど、どうりで毎年際限なく現れるはずだ。

なので部屋に現れたムカデを屠ったところで数が減り過ぎるなんてことはなさそうだし、むしろスゴイ増えてしまう。

以上ふたつの理由で、僕はムカデを屠る。見つけ次第屠る。誰がなんと言おうと屠る！

攻略！ムカデはこう屠れ！

それではいよいよ、ムカデの屠り方を解説していこうと思う。なおそれぞれの方法に評価のためのパラメータを付けた。☆の数が多いほどスコアが高く、おすすめだ。

パラメータは以下の三種。

即応度：すぐに対応できる度合い。
安心度：反撃を受けないことや、心理的負担の小ささ。
屠り度：いかに確実に屠れるかの度合い。

※評価は全て筆者の主観によるもの。
※筆者が実践していない方法については「※未確認」と表記した。

Insecticide – 殺虫剤 –

即応度：☆☆☆
安心度：☆☆☆
屠り度：☆☆☆

手順：殺虫剤をかける

すごくシンプルで、都会では一般的な手段だろう。しかし経験上ムカデに殺虫剤をかけてもなかなか死なず、もがきながら逃げられてしまう印象が強い。逃げた後どこかで絶命するかも知れないが。

ムカデ専用の殺虫剤も存在するが、噴射時間は5秒程度とされているので、それなりに時間がかかるようだ。

スプレーは各部屋に配備することも可能なことから、即応度は3とした。殺虫成分自体の毒性を考えると家の中で多量にまくのははばかられる。よって安心度も3。全体的に良くも悪くもない。

Hot water – 熱湯攻撃 –

即応度☆
安心度☆☆☆
屠り度☆☆☆
※未確認

手順：お湯を沸かす → ムカデにかける

ムカデは熱湯で即死するのでシンプルに熱湯を直接かけるだけなのだが、ムカデ出現からお湯を沸かすまでどうやって時間を稼げばいいのか。冬場ならストーブで常時沸いていることもあるのだが、冬にムカデは出ないし……。

なんにしても、熱湯を用意できる場所は限られているので即応度は1とした。また床にお湯をまいたら片付けが大変なので、安心度からも減点した。狙いを外す可能性も考えれば屠り度も高くはできない。

Boil attack – 釜茹で攻撃 –

即応度：☆
安心度：☆☆
屠り度：☆☆☆☆
※未確認

手順：お湯を沸かす → つまんで捕獲 → 熱湯に投入

トングや火ばさみのようなものでムカデを掴み、熱湯の入ったバケツなどに放り込む。熱湯攻撃と同じくお湯を沸かすまでの時間が課題。しかも生きたままのムカデをつまんで捕獲しなければならないため、難易度・心理的負担ともに大きい。

お湯に加えてつまむ道具も用意しなければならないが、とりあえずつまんどいてからお湯を沸かすこともできなくはないので、即応度は熱湯攻撃と同じ1。お湯に放り込めれば確実に屠ることができるものの、つまんで運ぶ間に逃げられる可能性を考慮し屠り度4とした。

Freeze&stream combo – 冷凍トイレ流し攻撃 –

即応度：☆☆☆
安心度：☆☆☆☆
屠り度：☆☆☆☆

手順：冷凍スプレー → つまんで捕獲 → トイレに流す

殺虫成分を使用したスプレーでなく、虫を凍らせて行動不能にするスプレーを使用する。行動停止させてからトングなどでつまみ、トイレに流す。

冷凍スプレーでの行動停止には数秒の噴射が必要。殺虫剤との違いは人畜無害であることで、屋内でも安心して使用できる。ただし、一見完全に凍ったようであってもムカデはすぐには死んでおらず、解凍されるとしばしば蘇生する点に注意。また、厳密にはトイレに流したあと本当に死んだかどうかは確認できていない。

スプレーを使用する分、接近しなくてよい安心感は大きい。冷凍され行動停止した状態ならばつまむ行為の難易度が低い点も高ポイント。

The Iron fist – グーパン –

即応度：☆☆☆☆☆
安心度：
屠り度：☆☆☆☆☆

手順：グーパン

冬の間イメージトレーニングを重ね、今年の春ついに実現した究極の攻撃方法。ムカデが出たら殴る。即殴る。道具が要らないので、とにかく対応が早い。その場で屠るので確実。ただし、まあまあ勇気がいる。

気を付けることが二つあって、それは速度と精度。

まず速度だが、ゆっくり殴ると咬まれる危険がある。超速で打ち込んでヒットした瞬間すぐに引っ込めること。

さらに重要なのが精度で、こぶしの上端、指の付け根の骨を確実に当てること。ムカデは細いし固いので、わずかでも狙いがそれるとダメージを与えられないのだ。

さらに、ムカデは体の一部分をつぶしても全然元気に暴れまわる。最初の一撃で的確に頭をつぶし、逃げられなくしておいてトングなどのつまむ道具を取りに行くのがいい。

Ultimate weapon – スパイスの小瓶 –

即応度：☆☆☆☆
安心度：☆☆☆
屠り度：☆☆☆☆☆
※未確認

手順：叩く → 叩く → 叩く

これはまだ思いついたばかりで実証していないのだけど、前述のグーパンから着想を得た最終兵器がコレ。スパイスの小瓶。トウガラシやコショウなどの瓶の使い終わったやつ。

これを逆さに持って、フタの部分で叩けばよいのではないだろうか。平面だから広範囲に叩けるし、ビンは小さくて持ちやすい。フタは大抵プラスチックなので床を傷つける心配もない。賃貸物件でも安心だ！

しかも、スパイスの空き瓶は大抵の家庭にいくつか転がっていないだろうか。これにマイティーソーのイラストでも貼り付けて各部屋に置けば完璧だ。

おめでとう！新しい時代のムカデ対策はこれで決まりだネ！

結局叩くのが最強

色々な屠り方を見てきたが、結論としては、叩くのが最強ということでご納得いただけただろうか。

ムカデは硬いというイメージがあって、いや、実際かなり固いのだけれど、物理攻撃はあまり有効でないような気がしていた。だから、今までは主に冷凍スプレーに頼っていたのだけれど、いかんせんコストが高い。一本1000円近くするので、あまり思いっきり使う気になれないのだ。

その点、叩くというのはとてもいい。手っ取り早いしコストがかからない。グーパンでいいなら0円だもの。あとは、つまんで運ぶための道具さえあればいい。これも消耗はしないから一度買えばずっと使える。

ちなみに我が家では高芝ギムネ製作所のムシムシゲッターを愛用している。目標を全方位からやんわり掴む優れものだ。

しかし、試してないけど、恐らく動いてるムカデだと逃げられてしまうのではないかと思う。その場合はやはり火バサミのような、トング状の道具が有効だろう。

最後にグーパンについてもう一つ言っておくと、手近に冷凍スプレーがある状況では、やはりまったく使う気にならなかった。スプレー等、何もない場合の最終手段、というのが正直なところだ。

だが、そういう奥の手があるというだけで、心に余裕が生まれるはずだ。スプレーがない！　ムシムシゲッターがない！　と焦ってパニックになる必要がない。すごくいいことだと思う。

もしもの時に慌てないために、誰しも一度は、グーパン撃破の経験をしておくべきだと思うのだ。さあ！　あなたも、次に出会った時に気軽に試してみよう！